2003-05-13 第156回国会 参議院 法務委員会 第11号
一点だけ付け加えさせていただきますと、司法精神医学といいますか、保安処分制度、治療処分制度というのが収容処遇、いわゆる閉じ込めるということを主にした制度として世界的にもできてき、今日あるわけですけれども、必ずしも成功していない理由は、精神医療の発展とタイアップできていないからだと思います。
一点だけ付け加えさせていただきますと、司法精神医学といいますか、保安処分制度、治療処分制度というのが収容処遇、いわゆる閉じ込めるということを主にした制度として世界的にもできてき、今日あるわけですけれども、必ずしも成功していない理由は、精神医療の発展とタイアップできていないからだと思います。
例えば、昭和四十九年、一九七四年でございます、今から二十八年前、約三十年前の話でありますが、改正刑法草案においていわゆる保安処分制度の導入が提言されたことをきっかけとしまして、その是非が激しく議論されたこともあります。また、近年におきましては、平成十一年の精神保健福祉法の一部改正法の審議に際しまして、「重大な犯罪を犯した精神障害者の処遇の在り方については、幅広い観点から検討を早急に進めること。」
先ほど私が森山法務大臣に伺いましたが、これを法務省サイドでつくる場合は、以前に問題になた保安処分制度、その中の特に治療的、矯正的な、社会復帰ということを念頭に置いた矯正的な保安処分のあり方の一つとなると思います。あえてそこに持っていかずに、半分医療サイドに投げ込んだ中で責任の所在をあいまいにして、このような枠組みをつくるということはいかがなものかとも思います。
昭和四十九年の改正刑法草案及び昭和五十六年の刑事局案におきます保安処分制度におきましても、その者の危険性から社会を防衛するために行われるいわゆる予防拘禁とは異なるものでありましたが、刑法に規定するということにしていたことから、社会防衛をもその目的の一部としていたものでございました。
したがいまして、本制度は、刑法に規定することとしていたために社会防衛もその目的の一つとしていた昭和四十九年の改正刑法草案でありますとか昭和五十六年の刑事局案における保安処分制度とは目的において全く異なるものと考えております。
かつての保安処分制度の療養観察制度に非常に近いんじゃないかと思えてなりません。人権侵害のおそれが色濃く出てきてしまうのではないかと危惧されるのがこの法案の通院治療の問題であります。このやり方では、私は、通院治療効果も逆になってしまうんではないかと危惧します。
○古田政府参考人 ただいまお尋ねの刑法改正の過程でのいわゆる保安処分制度との大きな違いを申し上げますと、いわゆる保安処分制度におきましては、刑事手続の一環として、刑事事件の審理を行った裁判所が刑事訴訟手続によりまして刑事処分として決めるという仕組みになっていたものでございます。要するに、過去のいわゆる保安処分はあくまで刑事裁判の一つの類型ということでございます。
○平岡委員 現在、政府が検討している案というのは、昭和四十九年の改正刑法草案、あるいは昭和五十五年に法務省刑事局が検討しておった保安処分制度の骨子、どっちかというとこの保安処分制度の骨子なんでしょうけれども、これに非常に類似した制度になっておりまして、これらは当時、国民的な批判を受けまして実現されることはなかったわけです。
今の大臣の御見解を聞かせていただきますと、私が考えているようなことと恐らく共通する部分もかなりございますので、ぜひそこは、正しい人権感覚を持って、くれぐれも保安処分制度などというような人権に逆行するような制度ではない形で、慎重かつきちんとした勇気を持った御検討をいただきたいと思っております。
むしろその後に改正されました精神衛生法の運用状況を見ながら、保安処分制度をどうするかということを見きわめた上で全面改正に取りかかろうということを考えておるわけでございますけれども、また同じような形でそういうことをやっております中で十何年たちますと、また罰金刑が追いつかなくなってきたということで、今回また同じようなことで改正をさせていただくということになるわけでございます。
ただ、全面改正の問題点について簡単に申し上げておきますと、私どもが改正をいたしたいと思う草案につきましては、特に保安処分制度の創設といったことを中心といたしまして、いろいろ強力な反対があるといったようなことがございました。
○井嶋政府委員 もう委員十分御承知のことでございますから、細かい説明は省略させていただきますが、私どもは、現時点におきましても、精神障害者に対する司法のあり方といたしまして保安処分制度をぜひ実現すべきであるという考えを持っておることには変わりはございません。
昭和五十六年に法務省と日本弁護士連合会との間で行われました第四回刑法問題意見交換会において示されました、刑事局長案と言われておると思いますが「保安処分制度の骨子」というものと、日本弁護士連合会の方から示された「精神医療の抜本的改善について」と題する要綱案に問題は収れんされて現在に至っていると私は考えているわけでございます。
そういうことになると、社会に出すことも困るし病院に入れたって治らないものなんだということだし、それから裁判所はこれを無罪にしてしまう、こういうことなんですが、こういう特殊の病気があるという現実から、こういう人たちに対する社会防衛上何らかの処置を講ずる必要がないかと、こういう問題に当たりまして、筑波大学の精神医学の先生は、保安処分制度をつくって、何かこれは病気治す保安処分じゃなくて、こういう人たちを隔離
刑法の全面改正は、先ほど大臣申されましたように、法務当局といたしましても可能な限り早期に実現したいというふうに考えておるわけでございますが、保安処分制度をめぐりますいろんな論議等がございまして、今のところ若干時間がかかっておるような段階でございます。したがいまして、今後の改正作業の進展に伴いまして日弁連との話し合いをやるべきかどうか、そこら辺のところも検討しなければいけないものと思っております。
保安処分制度というものはやはり必要だというふうに現在お考えなんでしょうか。そして、それを刑法の中に盛り込むべきだという御意見なんでしょうか。その点ちょっとお伺いしたいんです。
本制度につきましては、昭和四十九年に法制審議会が改正刑法草案を答申いたしました際に、その中に保安処分制度の新設というものが提案されているわけでございます。
昭和五十六年十二月二十六日に「刑法改正作業の当面の方針」というものをお出しになられまして、また保安処分についても「保安処分制度(刑事局案)の骨子」というものをお出しになられました。具体的にこの作業化を今しておるんだということを言われた。これが五十六年でありますから、それからもう四年近くにならんとしているわけです。この具体的な作業化は、現段階でどのくらい進展をしているのか、これをお伺いいたします。
――――――――――――― 十月六日 外国人登録法の改正に関する陳情書外四件 (第二一号) 公証人法の改正に関する陳情書 (第二二号) スパイ防止法制定反対に関する陳情書 (第二三号) スパイ防止法の早期制定に関する陳情書 (第二四号) 刑法改正による保安処分制度新設反対に関する 陳情書 (第二五号) 同月十八日 外国人登録法の改正に関する陳情書外五件 (第一八五号) 十一月七日
○土屋説明員 法務省では、御指摘のように、昭和四十九年に法制審議会から法務大臣に対しまして、刑法全面改正をする必要があるという答申がありまして、その答申のありました改正刑法草案の中に、保安処分制度の新設が提案されているわけでございます。
○国務大臣(坂田道太君) 私は、九月の十八日から十月の二日までヨーロッパ諸国におきます精神障害性犯罪者に対するいわゆる保安処分制度の運用の実情等を視察するために、ドイツ連邦共和国、スイス連邦、スウェーデン王国及びフランス共和国を訪問いたしました。各国の法務大臣等と会談するとともに、各国の治療施設を視察をいたしたのでございます。
実はこの八月二十九日に国際的な被害者の学問的な会があるということで、恐らく稲葉先生もいらっしゃるのじゃないかと思っておりますが、そういうような観点から、被害者を守るために何らかの法的な制度というものはやはり必要ではないだろうか、そういうようないきさつ等があって、市民防衛という立場から保安処分制度ができておるんじゃないだろうかというようなこともいろいろ考えておるわけなんで、いずれにいたしましても、見てみぬことにはというような
幸いにして、いろいろと意見交換も具体的在問題にも入ってまいりまして、特に問題となっておりますいわゆる保安処分制度、これを中心としてこの数回意見交換がなされておるわけでございます。 それぞれ立場が違いますので意見が完全に一致するというわけではございませんが、過般三月十七日に第六回の意見交換がございまして、次回が四月十六日という予定になっております。
私どもで考えておりますいわゆる保安処分制度は、治療処分という名前をつけたいというふうな考えもあるぐらいに治療を中心とした制度でございますし、もともと要件といたしまして、一定の重大な犯罪を現に犯した者がありまして、その人たちがそういう精神障害のために再びそういう危険な行為に出るというおそれがあるという場合に、初めて裁判所で言い渡しをするということでございます。
○寺田熊雄君 大臣、ちょっといまの公衆衛生局長の御答弁を伺いますと、保安処分制度について日弁連と十分協議なさる、そのこと自体は大変結構だと思います。ただ、厚生省当局との間の協議というものは、全然と言っては語弊があるかもしれませんが、余り行われておらないような印象を受けますが、この点いかがでしょうか。
○寺田熊雄君 法務省案によります保安処分制度が行われます場合に、果たして精神神経科の医師の協力が得られるだろうかという懸念を私どもは持つのであります。両省の御当局は、この問題についてはどういうふうにお考えでしょうか。法務、それから厚生、両省にちょっとお伺いしたいと思います。
○寺田熊雄君 そうしますと、法務省がいま考えておられる保安処分制度というようなものに、その審議会では一切タッチしない、そういうものですね。
そこで、現在法務省といたしまして検討いたしております保安処分制度というのは、そういう精神の障害によりまして殺人、放火、強盗等の一定の重大犯罪を犯した場合でありまして、しかも再犯のおそれがあると裁判所が認定した場合に初めて言い渡せる制度でございまして、もちろん犯罪の危険があるとか、そういう危険性のためだけで施設に収容するというような制度では毛頭ないわけでございます。
最後に、これは大事な問題ですからできれば法務大臣からお答え願いたいと思いますが、この覚せい剤の中毒者には保安処分制度を法務省で考えておられるというふうに聞いております。ところが、この保安処分施設については、厚生省の方で国立病院の使用なんかは困るというふうに言われておりますが、法務省としてどのようにそのことについてお考えになっておるか、それを最後にお聞きして、終わりたいと思います。
ただ、念のために申しますけれども、稲葉委員も先ほどもちょっと触れられましたように、ドイツの保安処分制度というのは、いま延期されているものだけではございませんで、むしろわれわれが考えておりますような精神病院への収容あるいは禁絶施設への収容というものが主たるものでございまして、その方は現に実施もされ、運用もされているわけでございます。